新年度を迎え、新社会人だけでなく、転職や異動などにより新しい環境で仕事を始める人も多いこの季節。心機一転、やる気に満ちている人が多い一方で、ゴールデンウィークを過ぎて新生活が一段落する頃から、にわかに「なんとなくやる気が出ない」、「気分が悶々とする」という症状が現れる人がいます。俗にいう「五月病」です。
今回はコミュニケーションの視点から五月病を未然に防ぐための対策を考えます。
「五月病」って何?
五月病の多くは一時的なものであり、適度な休息などで改善されることがほとんどです。「五月病」は正式な医学用語ではなく、医療機関では「適応障害」や「軽度のうつ」などの診断名がつけられる場合もあります。一過性のものだと思っていた五月病から、うつ病に発展することもあるので、注意が必要です。五月病の原因
五月病になる背景にはさまざまな原因がありますが、その多くが環境の変化や心理的なストレスによるものです。1. 新しい環境に馴染めない
新しい職場環境に慣れない、上京や転勤などによる生活環境の変化に適応できない。
2. 新しい人間関係に慣れない
新しい配属先や転職先で上司に質問しづらい、同僚に相談できない、コミュニティにとけ込めないなど、人間関係に順応できない。
3. 理想と現実のギャップが埋められない
新しい職場環境で自分の強みが活かせない、自分が思い描いていたイメージと現実にギャップがある、など「こんなはずじゃなかった」という精神的ダメージ。
4. 次の目標を見失う
就職や転職である程度目標が達成され、次の目標が見つからない。いわゆる「やる気スイッチ」が切れ、「燃え尽き症候群」で無気力な状態に。
こんな症状がある人は要注意!
次のチェックリストでにあてはまる人は、五月病になっている可能性があるかもしれません。気になる症状があったり、仕事に支障が出てくるようになったりしたときは、専門医に相談してみることをおすすめします。
- 朝起きるのがつらい
- 食欲がない
- 身なりを整えるのがめんどくさい
- ネガティブ思考に陥りやすい
- 通勤することが苦痛で、動悸や腹痛など体調不良が出る
- 業務効率が落ち、ミスが増えた
- 人と会うのがめんどくさい
- 眠りにつくまでに時間がかかる
- イライラしたり、焦ったりする
- 些細なことでストレスを感じる
- 頭痛やめまいが起こりやすくなった
- 目標が見出せず、無気力状態になってしまう
職場のコミュニケーションで五月病を予防する
では五月病を防ぐ対策として、会社は何をすればいいのでしょうか。
新しい環境で働く人に対して、周囲の人は積極的に声をかけるなど、オープンで話しやすい職場作りに努めることが五月病を未然に防ぐことにつながります。
1. 1人で悩ませない
新しい人関係の中では、仕事で悩みを抱えていてもなかなか相談できず、悶々とした気持ちを抱えている人もいます。上司や同僚などと話しやすい環境づくりに努めましょう。人に話すことで気分も軽くなりますし、ストレス軽減になります。悩みがあるようならまずは本人の聞き、厳しく指摘しないことが大切です。
2. 焦らせない
新しい環境に適応できずに時間がたつと、自分だけが取り残されてしまったような気持ちになり「何とかしなくちゃ!」という焦りが生じてしまいがち。焦りはストレスの原因です。オープンで個々の多様性を認める環境をつくり、周囲がサポートしましょう。
3. 完璧主義でなくていいと伝える
完璧主義者は、そもそも五月病だけでなく、うつ病にもなりやすい体質です。新しい職場や業務に早く適応しようとするあまり、肩に力が入っている人も少なくありません。一生懸命に業務にあたるのはとても素晴らしいことですが、周囲の人は本人がイメージしていることの8割方できれば上出来!程度に思っていることを伝えましょう。
これらのコミュニケーションには対面が有効であるのはもちろんのこと、チャットでのコミュニケーションも有効です。
対面では日頃あまり本音を話さない人でも、文章であれば素直な気持ちを吐露できるという人もいます。チャットワークを活用すれば、「チャット」というコミュニケーションの特性上、メールのような堅苦しさや距離感がなく、気軽に、そしてすぐにやりとりができるので、従来の上司部下、同僚の関係よりもフラットなでオープンなコミュニケーションの場をつくることが可能です。
まとめ
昨今は新社会人に限らず中堅社員でも、転勤や異動などによる環境の変化から五月病を発症することが増えているようです。新しい職場や新生活に適応できないあまり、焦りと気合いが空回りしてしまうときは、強いストレス状態に陥りがちです。新しい環境で働く人に対しては、オープンで話しやすい環境づくりに努め、積極的にコミュニケーションをとることが五月病の予防になるでしょう。