「メールは非効率だけど、ビジネスチャットが本当に効率的なの?」
と考えるビジネスマンに向けた連載企画第3回目です。
前回はメールとビジネスチャットの機能の違いについてご説明させていただきました。
今回はビジネスチャットの使用イメージを仕事上のやりとりを例にメールと比較してご説明します。
似ているようで全然違う!メールとチャット比べてみた
前回の記事では、メールとチャット、それぞれの利便性や特徴を解説しました。
今回も、前回入らなかったメールとチャットの違いを、比較しながらご紹介していきたいと思います。
早めに返事がほしいのに、なかなか返って来ない!
- メール:確認や作成に時間がかかる
「ほかの業務が忙しくて、1日に何度もメールチェックできない…」という人も多いですよね。
ビジネスメールは宛名や挨拶など、用件以外の文章の作成に時間をとられがちなこともあって、1日に何度もやり取りするのは非常に大変です。そのため、早く返信が欲しい用件の連絡には向いていません。
- チャット:会話感覚で気軽に素早く返信できる
チャットを使えば、「〇日の打ち合わせを午後からに変更していただくことはできますか。」「では×時からでいかがでしょうか。」「大丈夫です、では〇日×時でお願いいたします。」というように、会話のようなテンポでのやり取りが可能です。
余分な文章を書く手間や返事を待つ時間も減らせるので、急ぎの要件もすぐに終わらせることができます。
サイズの大きな画像データをいくつか送りたいんだけど…
- メール:送受信できる添付ファイルの容量が少ない
「メールに何かのファイルを添付しようしたら、重すぎて送れなかった!」という経験がある方は多いですよね。
そのまま添付して送れない場合は、ファイルを圧縮したり、メールを複数回にわけたり、外部のアップロードサービスを利用したりする必要が出てきます。いずれにしても、送信者・受信者ともに余分な手間がかかってしまいますね。
- チャット:大きなファイルも気にせず添付できる
チャットの場合、「一人の相手に届ける」というよりも「チャット上にファイルを置いて共有する」というイメージになります。
動画など、1GBを超えるような大容量ファイルでも、チャット送信画面にドラッグ&ドロップするだけですぐに共有することができます。
また、グループチャットの中にファイルを置いておけば、後から入ってきた人たちもダウンロードが可能なため、大人数に見てほしいときや、後からメンバーが増えた場合の共有も簡単です。
機密情報を扱うのでセキュリティが不安だなぁ…
- メール:今や微妙
メールの場合、うっかり宛先を間違えるなどの誤送信が起こりやすいため、機密情報をやり取りするには細心の注意が必要となります。
また、送信時に暗号化などもおこなわれないため、情報漏洩への不安が残ります。
- チャット:すべての送受信情報が暗号化されて安全
チャットであれば、すべてのメッセージが暗号化されて送受信されるため、安全にメッセージをやり取りすることが可能です。
また、チャットのアカウントは企業側で管理することが可能です。チャットワークにおいては異動や退職などでグループからメンバーを外したい場合も簡単に退出されられるので、その後の機密情報などの漏れを防ぐことができます。
去年の取引に関する情報を振り返りたい!
- メール:さかのぼるのが大変
メールの場合、あまり検索性がよいとは言えませんよね。
過去のメールを対象にワード検索をかけても、場合によっては大量の関連メールがひっかかってしまいます。
引用返信が連なっていたりすると、見たい情報を探し当てるのも大変です。
- チャット:過去ログをさかのぼりやすく、検索性も高い
チャットワークにおいては過去ログは発言者やグループごとの一覧表示でさかのぼりやすく、過去の情報を探すのも簡単です。
ワード検索をするときは、オプションとして発言者や除外ワード、期間なども容易に設定できます。検索結果から該当箇所へ飛べば、前後のやり取りも含めて確認できるので、スピーディーに目的の情報へたどりつけます。
前回の記事とあわせて振り返ってみると、今やメールは、ビジネスシーンに最適なコミュニケーションツールではなくなってしまったと言えるでしょう。
ただ、だからと言っていきなりメールの利用をやめるわけにもいきませんよね。
メールの不便を少しでも解消して、ビジネスコミュニケーションをもっと快適にするにはどうしたらよいのでしょうか?次回の記事で考えてみたいと思います。
谷口 智香
元ITエンジニアのライター。現在はエンジニア経験を活かしつつ、IT・キャリア・人事系の記事を中心に執筆中。ITサービスを活用した仕事におけるコミュニケーション術などに興味がある。