「メールは非効率だけど、ビジネスチャットが本当に効率的なの?」
と考えるビジネスマンに向けた連載企画第4回目です。
前回までは、メールとチャットの違いを比較しながらご説明してきました。
今回は、ビジネスコミュニケーションをもっと快適にするための方法を考えてみたいと思います。
メールの不便を解消して、もっとビジネスコミュニケーションを快適にする方法とは、
これまでの記事を振り返ってみると、メールは今や仕事に最適なコミュニケーションツールとは言えないのかもしれません。
それなのに、なぜいまだにビジネスシーンではメール利用が主流なのでしょうか?
メールをやめられない理由
メールを使わざるを得ない要因としては、以下のような項目が挙げられます。
- 初めて連絡をする際はメールが必要
たとえば、初対面で名刺交換をしただけの相手だと、メールアドレスしかわからない…という場合が多いかと思います。
- 取引先やお客様からの連絡がメール中心になっている
取引先やお客様から頻繁にメールが届いている状態で、いきなり「メールの利用をやめます」とは言いづらいですよね。
- 改まった用件はメールで送りたい
チャットは会話感覚でやり取りできるのがよいところですが、改まった用件を伝えたいときはメールのほうがふさわしいかもしれません。
ビジネスコミュニケーションをもっと快適にするには、どうすればよいのでしょうか?
チャットとメールを併用して、それぞれの特徴を活かす!
メールだけだと起こりがちなトラブルや面倒ごとは、チャットとメールを併用することで減らせるはずです。
チャットの場合、以下のようなシーンに向いています。
- 組織やチーム間でのやり取り
チャットは同じ組織やチーム内でのコミュニケーションツールに最適です。
部署やプロジェクトチームなど、必要なメンバーを選んでグループを作っておけば、情報の共有漏れを防げます。メールよりも気軽にメッセージをやり取りできるため、組織内のコミュニケーションを活発化させることもできます。
- 取引先など頻繁な連絡が必要な相手とのやり取り
社外の相手でも、担当している取引先など頻繁なやり取りが発生する相手とは、チャットでのやり取りに切り替えたほうが便利です。宛名や挨拶、署名などの面倒なメールマナーにとらわれず、スピーディーなやり取りができます。
- 添付ファイルを一緒に送りたいとき
大容量ファイルでも、チャットなら送信画面にドラッグ&ドロップするだけですぐに共有できます。メッセージだけでなく「必要なファイルを共有する場所」としてもチャットは最適です。
チャット=「クラウド上の会議室」
会議室では、1人がホワイトボードにメッセージを書けばみんなが読めますし、会議室に資料のファイルを置いておけば、みんなが手に取って見ることができますよね。
メールや電話といった従来のコミュニケーションツールでは、Aさん:Bさん、Aさん:Cさんというふうに、1:1のコミュニケーションしかとれませんでした。
これがチャットなら、たとえばグループ内の誰かが情報発信をすればAさんにもBさんにも伝わり、後から追加されたCさんもログを見てすぐに情報を共有できる……という具合に、複数人:複数人のコミュニケーションも容易にとることができます。
というわけで、4回にわたってビジネスコミュニケーションとチャットについてを考えてきました。
今後は、チャットツールがもっとビジネスシーンに浸透することで、コミュニケーションにおけるトラブルやコストが少しでも削減されればと思います。
谷口 智香
元ITエンジニアのライター。現在はエンジニア経験を活かしつつ、IT・キャリア・人事系の記事を中心に執筆中。ITサービスを活用した仕事におけるコミュニケーション術などに興味がある。