前回までは、ビジネスコミュニケーションツールとしての、電話とチャットの違いをご説明してきました。
振り返ってみると、今や電話は効率的なコミュニケーションツールとは言えないのかもしれません。
それなのに、なぜ電話の利用をやめられないのでしょうか?
今回は、ビジネスコミュニケーションをもっと快適にするための方法を考えてみたいと思います。
電話を捨てられない理由
電話を使わざるを得ない要因としては、以下のような項目が挙げられます。
<緊急時は電話が必要>
緊急時など、相手の予定をさえぎってでも伝えるべき情報は、電話での連絡が向いています。
<交渉ごとや謝罪などは電話のほうが伝わりやすい場合も>
チャットは相手の都合を聞いたり、すでに決まっている情報を伝えるには最適なツールです。ただ、たとえば金額の細かい交渉や謝罪など、こちらの態度やニュアンスなどを伝えたいときは、電話のほうが向いている場合もあります。
<スマホやPCを持っていない取引先>
そもそもメールやチャットでのやりとりが難しい取引先の場合、まず電話でのコミュニケーションが必要になります。
チャットのほうが効率的なケース
ビジネスでは、上記のように電話が必要となるシーンもありますが、下記のようなシーンではチャットを使ったほうが効率的です。
<取引先など頻繁な連絡が必要な相手とのやり取り>
担当している取引先など頻繁なやり取りが発生する相手とは、チャットでのやり取りに切り替えたほうが便利です。自分の都合のいいタイミングで、いつでも連絡したい相手に直接メッセージを送ったり返信したりできるため、かけ直しや取り次ぎ、伝言などに手間をかける必要がなくなります。
<組織やチーム間でのやり取り>
チャットは、組織やチーム内でのコミュニケーションツールとしても使えます。一対一でしかやり取りできない電話とは違い、部署やプロジェクトチームなど必要なメンバーを選んでグループを作っておくだけで、情報の共有漏れを防ぐことができます。
<遠方にいる人たち同士の会議>
チャットには、PCカメラを使ってリアルタイムでビデオ通話ができるライブチャット機能も搭載されているサービスもあります。
ライブチャットを使えば、PCさえあれば場所を問わず複数人で顔を合わせて通話することも可能です。そのため、顔を合わせて会議したいけどメンバーの所在地がバラバラ…という場合もビデオ会議をすることができます。
ビジネスコミュニケーションを快適にするには・・・
前回、前々回からお伝えしているとおり、チャットを使えばビジネスコミュニケーションがもっと効率的になるケースは多々あります。
言った言わない問題、取次の手間、作業を強制的にストップするなどの状況を避けるためにもチャットを活用することは重要です。そのため、電話を使わないといけないシーンを決めることがコミュニケーションを快適にする鍵となります。たとえば、お客様からの初めての問い合わせは電話で受けてその後のやり取りが発生するようであればチャットに移行するなどのルールを決めるとよいでしょう。
というわけで、3回にわたって電話・チャットの違いとビジネスコミュニケーションの効率化について考えてきました。
チャットがもっと浸透することで、電話によって発生していたトラブルやコストが少しでも削減されればと思います。
谷口 智香
元ITエンジニアのライター。現在はエンジニア経験を活かしつつ、IT・キャリア・人事系の記事を中心に執筆中。ITサービスを活用した仕事におけるコミュニケーション術などに興味がある。