2020年6月9日火曜日

【受賞者インタビュー】アナログだった現場が一変!Chatworkで福祉施設の業務を大幅効率化

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Chatwork活用コンテスト「消えた仕事とその道のり」で特別審査員賞を受賞した社会福祉法人すぎなみき会さま。2年前からChatworkをはじめとするITツールを導入し、業務改革を進めてきました。しかし、福祉業界はアナログでITに不慣れなスタッフが多い業界。そのため、Chatworkの導入には多くの苦労があったといいます。どんな苦労があり、それをどのように乗り越えたのか、導入を推進した峯山 直己さまに話を聞きました。

消えた仕事とその道のり


人手不足に悩む福祉業界をChatworkで改革

――まずは社会福祉法人すぎなみき会さまと、峯山さまの普段の業務について教えてください。

峯山:社会福祉法人すぎなみき会は高齢者や障害者を複合的に支援する福祉施設です。平成13年に開設し、現在は日光市や栃木市を中心に障害者支援施設や特別養護老人ホームなどさまざまな施設を運営しております。私自身はそれらの施設の管理者をしております。

――Chatwork導入の経緯について教えてください。

峯山:福祉業界は定着率が悪く常に人手不足で、その分を長時間労働で補っている状況です。私の職場でも当時、同僚が1人退職したことで業務量が大幅に増えてしまいました。また、同時期に自分の家族の都合で、早急に働き方を見直す必要が出てきたのです。

ただ、「働き方改革」という名ばかりの改革はしたくありませんでした。社会福祉法人すぎなみき会にとって今後の資産になるような取り組みをしなければと考え、ChatworkをはじめとするITツールを導入して業務の効率化に着手しました。

――Chatworkの導入はスムーズに進みましたか。

峯山:福祉業界はITツールに不慣れな従業員が多く、いきなり導入してもうまくいくとは思えませんでした。Chatworkの導入に前向きな従業員と後ろ向きな従業員に分かれてしまうと、かえって職場の分断を招いてしまうのではないかいう懸念もありました。

苦手意識を持っている職員のフォローや、グループチャットの構築の体制、アカウントの管理負担の軽減策など、しっかりと対策した上で臨む必要があると考えました。

1人ひとりに応じたサポートでITリテラシーの低い現場にChatworkが定着

――具体的にはどのように進めていかれたのでしょうか。

峯山:現場への浸透は時間がかかると考え、まずはスモールスタートで事務所メンバーへの導入を進めました。そして事務所メンバーへの浸透が進んだタイミングで現場への導入に取り組みました。

定着させるために意識したのは「とにかくさわる機会を多くする」ことです。iPadを事務所内に設置して、毎朝のミーティングで一緒に使う練習を行いました。ただ、やはり慣れには個人差があります。前向きな人もいれば苦手意識が強い人もいるので、2~3ヶ月ほどじっくり時間をかけて慣れてもらいました。

それでも苦手な人には、タイピングしなくてもいいのでグループチャットを見るだけでも良いことにしました。見るだけでもChatworkのメリットはわかってもらえます。そうやってメリットを積み重ねて、少しずつなくてはならないツールにしていきました。

――それだけ細かく段階を分ければ拒否反応も防げそうですね。

峯山:アカウントの作成についても工夫しました。社内のアカウントは3階層に分かれています。基本的な使い方を把握できている者については個人名でアカウントを作成し、使用頻度は高いけれど使い方が未熟な者については複数人で1つのアカウントを使用。そして、テキストを打つこともままならず、見るのが精一杯の従業員については事業所名の共有アカウントを閲覧専用で使ってもらうことにしました。

未熟だった者が使いこなせるようになれば、個人名でのアカウントを取得するなど、階層を上がっていくシステムを取り入れています。

USBメモリを禁止して書類の受け渡しを合理化


――グループチャットについてはどのように管理されていますか。

峯山:全員が閲覧できるグループチャット、役職者が閲覧できるグループチャット、API連携によりタスクを自動で通知・設定・完了するためだけのグループチャット、書類をアップロードして確認するためのログチャットと、目的別の4種類に分けて管理しています。

――シンプルで合理的な管理方法ですね。

峯山:Chatwork導入にあたり、制約を設けたこともポイントです。たとえば、それまで当たり前に使っていたUSBメモリは原則禁止にしました。書類はChatwork上でやり取りすることにして、受け渡しを効率化しました。結果として、従業員も上司の機嫌を伺わずに書類が提出できるようになって喜んでいます(笑)。福祉業界は交代勤務なので意外と上司と直接顔を合わせる機会が少なく、そのタイミングで機嫌が悪いとどうしようもないですから……。

――意外なメリットですね(笑)。

峯山:それに私自身もChatworkで提出してくれた方が助かります。自分のタイミングで確認できますからね。

――その他、どんなChatworkの使い方をされていますか。

峯山:たくさんあります。たとえばAPIで別システムと連携し、設定したタスクをChatworkに自動で流すようにしました。毎日、曜日ごと、月ごと、年ごと、特定日など適切なタイミングで通知設定することができるのでタスクの渋滞が起きません。

この他にも、Googleカレンダーとの連携や、施設が所有している車両の管理ツールとの連携、特定のメールを通知することによる確認漏れの防止、リモートワークでの作業の行き違いを防ぐために重要書類の起動終了を自動で通知などさまざまなツールと連携し、Chatworkに集約しています。

ユニークなのはマイチャットの活用です。写真やテキスト、書類、動画のリンクなどを自分自身のメモとしてマイチャットに上げる従業員が増えています。私が教えたわけではなく、従業員から自発的に出てきた使い方だというのが嬉しいですね。「紙のメモではできないことが実現できる」という声も上がっています。

残業が減り、長時間労働の改善も

――Chatworkが浸透したことでどんな変化がありましたか。

峯山:まず、日々のコミュニケーションが変わりました。Chatworkを見ていることを前提に話ができるので、打ち合わせや会議も短縮できます。また、電話がかかってきたとき、これまでは受けた人がメモを残していたのですが、Chatworkでの伝達に切り替えた結果、いちいちメモを見に戻る必要もなくなり大きく効率化されました。

もう1つの大きな変化が事務所が減ったことです。書類をChatworkでやり取りするようになって紙が大幅に減り、書類スペースを削減することができました。その結果、事務所を統合することができ、2部屋分もの余剰スペースが生まれました。そちらを利用者さまのスペースに活用することで売上も増加しました。

――当初の目的だった業務効率化は進みましたか。

峯山:私自身の業務でいえば、1日あたり2~3時間分の効率化ができています。また、以前は長時間労働が多かった従業員の退勤時間も今はほとんどが定時です。効率化されたことで、よりひとつの業務にかけられる力が増しており仕事の精度も上がっていると感じています。

Chatworkがあったからこそ、私自身も苦境を乗り越えることができました。今後はさらにAPIを使いこなして、従業員がコア業務に集中できるようにしていきたいと思います。

API活用例

①ExcelとChatworkを連携
(例)書類の確認ツールとしてChatworkを活用
・Excelファイルの必要な部分だけを抽出し、Chatworkに通知
・書類の確認の手間を削減20人超えの書類の内容を1度に確認できるようにした

(例)タスクを適切なタイミングでChatworkに通知設定
・定常的に発生するタスクを、Chatworkにリマインド
・毎日/曜日ごと/月ごと/年ごと/特定日に適切なタイミングで通知設定することで タスクの設定し忘れを解消

②Google Apps Script(GAS)とChatworkを連携
(例)スプレッドシートとChatworkを連携させて、複数台の車両を管理
・車検日やオイル交換予定日などが近くなると、Chatworkにタスクが自動で設定されるよう、連携
・ また、スマホで走行実績 車検日などの日付を更新することができようにしている

(例)Googleカレンダーとの連携(予定の整理)
・Chatworkを使用し、各カレンダーごとに個別に通知し
・他部署にも予定が自動に通知されるように工夫している

(例)Gmailとの連携
・行政、労務委託会社からのメールを見逃し慌ててしまうことが以前は多発していたため、GmailとChatworkを連携
・重要なメールを抽出し、適切なメッセージルーム(グループチャット)へ送信
・メールアドレスを付与しなくても、特定のグループチャットに追加するだけでメール内容を確認することができる。機密性の高いメールのセキュリティーを確保できる

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<受賞者プロフィール>

社会福祉法人すぎなみき会
峯山 直己さま
平成13年開設。日光市と栃木市で障害者支援施設や特別養護老人ホームを運営する福祉施設。名称の由来は日光の杉並木であり、「杉の木の特徴のように、真っ直ぐに大きく、柔らかで温かみのある施設に育てたい」という思いがこもっている。

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